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国の資金に頼るのではなく、空港間競争を意識して各空港が成田や他の空港に比べて旅客に(特に地元旅客に)利用しやすくなるよう努力すれば、結果として、国際・国内あわせて白空港のハブ需要は高まるのであり、それが空港経営にとっても利用者にとっても望ましいことである。
地方中小空港整備計画の見直し地方空港においても、経済成長率の高い時代には、どのような社会資本投資を行ってもいずれはもとをとることが可能であったから、先行投資的な政策が是とされた。
しかし、今後は、すでに溢路となっている空港を除き、将来の需要、運航形態の変化、技術革新、他交通機関の整備状況等を十分考慮して、拡張計画の見直しを行う必要がある。
たとえば、滑走路の延長に際しては、以下の点に配慮した計画の見直しが必要である。
①規制緩和による競争の促進は、相対的に小型の機材による多頻度運航を導く②ツインージェットの渡洋運航基準の緩和により、B767クラスの機材で長距離国際線の運航が可能となっている③技術革新により、必要滑走路長は短くなる傾向にあるこれらの点を考慮すれば、将来需要が増加するとしても、総ての地方空港において大型広胴機材の導入を正当化するほどの需要が発生するとは考えられない。
B767クラスの中型機で大部分の地方空港は十分であり、ジャンボジェットのような大型広胴機材に必要な三〇〇路は、多くの地方空港では過大投資となる危険が高い。
また、高速道路網や新幹線の伸長は、空港需要に大きな影響を与え、場合によっては空港自体の必要性が失われる可能性もあり、新規空港については特に配慮が必要である。
地方空港の投資拡大を招いてきた一つの理由は「地方空港の国際化」願望にあり、国際化のためには投資拡大が必要との要求がなされてきた。
成田の制約による地方分散政策と地方の国際化願望に支えられて、地方中小空港においても国際化は進展している。
一九九三年五月現在、名古屋、福岡、札幌、那覇以外の10の地方中小空港に国際定期便が就航しており、チャーター便を飛ばしている空港も含めると三二に上る。
しかし、このところ地方中小空港からの利用客の伸びは鈍化しており、定期路線の維持に苦労する空港や、チャーター便が成立する旅客数さえ集まらない空港もみられる。
既にいくつかの地方空港では、国際線ターミナルが建設されながら殆ど利用されないで放置されていたり、チャーター便さえ思うに任せない空港が国際線ターミナルの建設を計画したり、あるいは関西新空港に隣接する地方空港が関西空港との競争を考慮しないでジャンボジェットの就航を想定した大規模貨物ターミナルを計画するという事態が続いている。
このような浪費を生じさせないようにするには、次節で述べる空港整備制度の改革に加えて、地方空港の国際化のありかたを見直す必要がある。
地方空港からの国際線が増加してきた背景には、①経済成長にともなう地方都市からの国際航空需要の成長、②地方都市の国際化願望、③成田の制約に伴う日本の航空政策の部分的弾力化、④アジアのハブ競争、という四つの要因が存在する。
近年の需要のかげりの最大の理由は景気にあるとはいえ、これら四つの基本的要因について十分な考慮を払わずに安易に国際化がなされてきた点にも反省が求められる。
すなわち、第一の要因に比べて相対的に第二の要因が過大であること、また、それにもかかわらず地元に国際化についての十分な展望がなく、施設の整備・拡張だけが需要を無視して先行していること、および、第三、第四の要因に関連してグローバルな視点が地元にも空港政策全体にも不足している点に問題がある。
国際空港とは、国際線が離着陸する施設を備えた空港のことをさすのであって、CIQがそろっていれば国際空港であり、大きいことが国際空港の定義ではない。
英国には草地滑走路の国際空港さえある。
国際化をはかり、国際航空旅客の利便を向上させるには、前節でも触れたが、滑走路の延長やターミナルの拡大とコストをかけるほうが優先事項である空港を地域の国際化のために積極的に活用するつもりなら、地域自体の国際化ビジョンの設定と、それを達成するための具体的プログラムの設定およびその中での空港の位置付けが必要である。
国際線が飛んだだけでは地域は国際化しない。
地方空港を起終点とする国際航空需要は限られているうえ、国際空港の数は増え、空港間競争は一層激しくなるから、国際線をどうしても設定したいなら、空港のマーケティングに重点を置き、自治体・地元が主体的に需要開発と空港整備に取り組むことが必要である。
「主体的に」という意味は、路線開設はエアライン任せ、空港施設整備資金は国任せ112というのではなく、責任もとることを含む。
また、少ない国際航空需要を活かすには、地方空港間相互の競争とグローバルーハブ競争を意識した空港経営戦略の策定も求められる。
複数中小空港間の協力体制の確立も一つの方法である。
これには、空港勢力圏の重なる近隣空港がエリア・路線・運航時間帯を分けあう「棲み分け」方式や、複数の近隣空港が「合従」して広域全体でネットワークを設定する方式のほか、逆に、空港勢力圏が全く重ならない遠くの空港と組む「遠交近攻」策も考えられる。
こういった方式によって、便数も需要も少ない個々の空港が競争しあう事態が避けられ、その一方で、ある程度の力とボリュームを有する空港グループ間の競争が実現される。
これに対し、特定のリージョナルハブを盟主に「連衡」する戦略もあり得る。
現在は大部分の空港はソウルを盟主としているが、可能な盟主は国内にもあることを忘れてはならない。
繰り返しになるが、「国際化」とは、「国際線が地元から飛ぶこと」ではない。
地元の旅客や荷主が便利に国際航空サービスを享受できればよいのであって、グローバルな視点、すなわち、盟主以遠のネットワークを考慮すれば、地方空港の利用便利な翠王は、で最大のハブ「東京」である。
第1章で述べた航空政策の課題を念頭におきながら、3-②で述べたハブ競争の要素と国土計画の視点を考慮した上で、今後の空港整備・運営制度のありかたを考えてみよう。
投資効果への配慮と市場機構の重視既に述べたように、選択的・重点的投資という観点から現行整備計画をみた時、首都圏の空港施設整備計画は甚だ不十分であり、それに反して、多くの地方空港では過大投資となる危険が高い。
しかしながら、現行の空港整備制度のもとでは、首都圏で支払われたカネが大部分地方部に流れてしまい、受益と負担の関係がリンクされていないため、効率的・選択的な投資のインセンティブは働かない。
現行の空港整備費用は、空港整備特別会計という全国会姉緋度によって維持されている。
空港間の内部補助を前提としているこの制度では、各空港の受益と負担の関係があいまいになってしまっており、負担の不公平が存在するだけでなく、市場メカニズムが機能しにくい形になっている。
少ない資源を有効に使うに際して最も重要なキー・ポイントは、資源を使う人にその代価を意識させることである。
これをなすに最も簡便で優れた方法は市場メカニズムの機能を活用することである。
市場機構には欠陥もあるが、適正な資源配分は市場メカニズムに依存することによってかなりの程度達成できる。
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